2011年7月7日木曜日

OSX Lionから"Mac"が消えたことを深読みすると見えてくる未来

OSX LionのGM seed(「ほとんど完成版」ていう意味で、問題がなければこのまま出荷される)が出たそうで、OSX Lionの一般リリースも今週末だとか来週の7/12だとか噂が出始めた。

OSX Lionの目玉は以前のエントリでも述べたLaunchpadやMission Control、マルチタッチジェスチャーなどで、これはiOSで培われたフルスクリーンUIの操作性をMacの世界にも取り込んだことだけど、今回はOSX Lionでこっそりと行われた大きな変更、OSXから"Mac"の文字がはずれたことに注目したい。

昨年秋の発表時には"Mac OSX Lion"と呼ばれていたものが、WWDCの発表では特にアナウンスもなく、"OSX Lion"に変更されていた。もちろん単純に名前をシンプルにしたかったという考えもできる。しかし、あえて恐らくOSXの登場以来、もっとも大きなUIの変更を行ったこのタイミング、iCloudという戦略的なサービスを発表したタイミングであえてOSXから"Mac"を取り去ったことにはもっと大きな意味が隠されているんじゃないか。

思えばここ数年、Appleは同様のことを何度か行っている。iPhoneの成功後、Apple Computerから"Computer"を取り去り、「もはやコンピュータだけの会社ではない」と宣言した。またはiPadの登場後、"iPhone OS"から"Phone"を取り去ってiPhone OSは電話だけのものでなくなったと宣言した。

つまり、今回の変更も「OSXはもはやMacだけのものではない」というAppleのメッセージと見るべきではないか。そして何年か後、私たちはこんなメッセージを聞くかもしれない「私たちはちょうど一年前、Mac OSXからMacの名前を取り去りました。OSXはMacという箱から開放されたのです。そうして今日、iOSとOSXを統合することを発表します。

iPad用のアプリケーションがそのまま、OSXのフルスクリーンアプリとして動く未来。OSXのアプリをそのまま、iPadのUI(これはOSXのフルスクリーンUIと同じだ)で持ち出せて、しかもデータはiCloudで全て同期されている未来。

OSX Lionではそんな未来への第一歩が踏み出されるということのように見えるが、どうだろうか。

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