2017年5月7日日曜日

VSCodeでThree.jsの開発環境を整える(2)

前のポストでVisual Studio Code上でコード補完付きでコーディングが可能な状態になったので、これをブラウザ上で実行可能な状態にコンパイルすることを考えます。

VSCodeでのコード補完を利用するためにthree.jsをnpmからインストールしたのでそのままでは実行できず、同じくnpmで提供されているツールであるwebpackというコマンドを利用します。

webpackコマンドをインストールする

プロジェクトのルートディレクトリから、webpackをnpmコマンドでインストールします。ブログとかには-gオプションをつけてグローバルにインストールする記述が多いが、グローバル空間はあまり汚したくないのでプロジェクト内に閉じることにします。
$ npm install webpack --save-dev
--save-devオプションをつけることで、webpackモジュールがインストールされると同時に、プロジェクトのpackage.jsonにあるdevDependenciesに記録されます。

これで、${PRJ_ROOT}/node_modules/.bin/webpackにコマンドがインストールされます。
$ node node_modules/.bin/webpack -v
2.5.0
みたいな感じになります。

webpack.config.jsを作成する

コマンドを直接
$ node node_modules/.bin/webpack  
のように使っても機能しますが、より簡単のために、webpack.config.jsという名前の設定ファイルを作成します。これがコマンドを実行するカレントディレクトリに存在することで、引数なしでwebpackコマンドを実行できるようになります。ここで、<entry>というのはブラウザでページを読み込んだときに最初に呼ばれるべきスクリプト(今回の場合はthree.jsをrequireしているほうのスクリプト)を指します。

以下に最低限と思われるentryとoutputだけ設定したwebpack.config.jsの例を記します。コンパイル元のJavaScriptファイルはsrcディレクトリ配下のindex.js、出力先はhtdocsのbundle.jsファイルとします。index.jsではthree.jsをrequireしているので、webpackを通してbundle.jsというファイルに統合されて出力してね、という設定です。 pathは出力先のoutput設定で絶対パスを要求されたので、それを解決するためのモジュールです。

const path = require('path');

module.exports = {
    entry: './src/index.js',
    output: {
        path: path.resolve(__dirname, 'htdocs'),
        filename: 'bundle.js'
    }
};

上記がプロジェクトのディレクトリに存在すれば、webpackコマンドを実行するだけで、この設定に沿ったコンパイル処理が実行されます。これをindex.htmlから<script src="bundle.js"> のように呼び出せば、ブラウザからJavaScriptコードが実行される状態になります。

なお、上記の例では最終的にbundle.jsを呼び出すことになるHTMLファイルはあらかじめhtdocsファイルに静的なファイルとして存在していることとしています。調べてたところhtml-webpack-pluginというものが存在しているようですが、今回の例ではこれで十分とします。webpackはCSSファイルや各種リソースをまとめるものなので、必要に応じてこの設定ファイルは設定を追加していくことになるはずです。

package.jsonにコマンド(scripts)を追加する

ここまでの設定だと
$ node node_modules/.bin/webpack
のようにコマンドを実行する必要があり、あまりスマートではありません。これを回避するのに${PRJ_ROOT}/node_modules/.bin/ディレクトリにパスを通すのも、そもそもグローバル環境を汚したくなかったのに本末転倒であって、これをnpm環境で統一することにして、package.jsonのscriptsという項目を使ってnpmコマンドを追加します。該当部分のみ転載します。
  "scripts": {
    "test": "echo \"Error: no test specified\" && exit 1",
    "build": "webpack"
  },
一つ目の"test"というのはデフォルトで入っていたものなので気にしないことにします。あとここのscriptsに書く際はすでにnode_modules/.bin/にパスが通っている状態だそうなので、webpackというコマンド名だけ書けば良いことになります。

package.jsonに上記の設定があれば、以下のようにして単純に、webpackによるJavaScriptのビルドを実行することが可能です。
$ npm run build
機能拡張にはnpmのものもあるようなので、必要であれば任意のショートカットを割り当ててさらに手軽に実行することが可能になると思います。 https://marketplace.visualstudio.com/items?itemName=fknop.vscode-npm

docker上でWebサーバをホストする

htdocsに出力されたJavaScriptファイルをテストするのに、HTMLファイルをローカルファイルとして開くとセキュリティ上の制限が出てきたり、うまく動作しないことがあります。ブラウザ上の設定でこの制限を解除することは可能ですが、より実際の想定に近い環境としてlocalhost上にWebサーバとしてnginxを動作させ、これに静的なファイル群をホストさせて動作確認することにします。これはdockerがすでにインストールされている前提で、以下のようにして実行可能です。
$ docker run -v `pwd`/htdocs:/usr/share/nginx/html:ro --rm -d -p 8080:80 nginx
これで、http://localhost:8080でhtdocs内のファイルの動作確認が可能になります。

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